代表理事の松岡慎也さんにお話を伺いました。
昔はとにかくいい高校、いい大学、いい企業にいけば成功するといわれてきました。けれど、今は必ずしもそうじゃない。終身雇用も揺らぎ、転職も当たり前になっています。だからこそ、主体的にチャレンジする気持ちを育て、自分自身のトータルな人生設計を考える教育、キャリア教育が必要になっています。そのためには、学校だけではなく、地域の方や地域の企業にも協力してもらい、一緒になって岐阜を支える人材を育てていきましょう!という思いから、企業と学校を繋ぐ橋渡し役をしています。具体的にはCSR活動支援や社会人講師派遣、学習プログラム活動などを行っています。
私は小中学校で16年教員をしていました。その経験を活かしたキャリア教育を行っています。CSR支援活動では、教育を軸とした社会貢献に興味ある企業と子どもたちを繋いでいます。たとえば、木造建築会社と組み、森の大切さに気づくこと、保険会社とリアルなマネープランを考えること、部品会社とはものづくりの楽しさを知ってもらうなどしています。企業からも学校教育に関われるという点で、信頼や安心に繋がると評価をいただいています。また、社会人講師派遣や学習プログラム活動では、起業された方や研究者など第一線で活躍している人で、子どもたちにもわかりやすい業種や職業で、『ハッ!』と思える方を紹介しています。地元の優れた企業や技術、人物を知らずに県外へ進学・就職するのではなく、『地元もすごいんだ!』ということに気づいてもらいたいです。
感動や成功を味わう『場』と、魅力的な大人に出会う『場』を作ることにこだわっています。子どもの頃の経験や、人との出会いは、人生観や職業観に大きく影響すると思うんです。その経験や出会いの場作りは、大人の責任だと思います。大人は環境づくりのお手伝いをする。子どもに、あれこれ言わない!それで十分だと思います。また、子どもたちが驚いて楽しんでもらえるだけでなく、私も参加したいものを行っています。特に、ロボットや料理など、子どもたちが手と道具を使って作ることに、力を入れています。
いろいろな学校から子どもたちが参加してくるので、ゼロスタートなんです。知らない子同士だから、最初は喧嘩もしますけど、一緒に行動するうちに仲良くなっていく。とてもいい経験していると思いますよ。『ロボコンが楽しかったから理系に行く!』とか『ボクは将来、山や森を守る仕事がしたい!』とか『南極観観測隊の隊員になって、講師の人と一緒に働くんだ!』って言ってくれると、小さいときの経験って本当に大事なんだなって強く思います。
社会の変化にともない、新しい仕事がどんどん生まれています。自分が『これだ!』と思った仕事を見つけたときに、頑張れる力をどうつけていこうか?って考えると、やはり出会いや経験が大事だと思うんです。その『場』を多くつくるために、Meets Visionももっと企画数を増やし、情報発信ができるといいなって思っています。岐阜に限らず、ウチでやっているようなノウハウを広めていき、イベントなどを多地域で同時開催できるように組織を大きくしていきたいです。
最初は、キャリア教育ってなに?と疑問だらけで取材を始めたのですが、お話を伺ううちに、キャリア教育の大切さ、学校と地域そして企業が一緒になって、子どもたちを育てていく重要性を知りました。松岡代表はバイタリティにあふれ、子どもたちと一緒にMeetsVisionの活動を楽しむとともに、子どもたちに対する強い愛情を感じました。私が将来子どもを持ったとき、いろいろな経験や出会いの場づくりを大事にする親になろう!と思いました。