水道を支える
縁の下の力持ち
ライフラインドクター

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FILE.11東和コンサルタント
株式会社

代表取締役社長の広瀬啓司様(中)
企画営業部 部長の玉腰豊様(左)
業務部 係長の東山良治様(右)に話を伺いました

漏水調査とはどんな仕事ですか?

水道管の水漏れを調査する仕事です。音聴棒や漏水探知機という道具で、道路にある弁や水道管から聞こえる漏水音を聞き分けて漏水箇所を探していきます。管の種類や埋めてある深さ、そして漏れている量によっても音が異なりますので、同じ漏水音はひとつもないといわれていますね。資格よりも経験がものをいう仕事で、特に漏れている量を推定するのは非常に難しいです。漏水探知機で管の上をなぞって歩きますが、会社のある瑞穂市だけでも数百キロの水道管があるんです。毎日5、6キロは歩いていますよ。

なぜこの仕事を始めたのですか?

「自治体からの配水量と水道メーター使用量に差があり、その原因がわからない」と創業者である先代社長が役所の担当者からたまたま聞いたんです。当時、漏水調査をしている会社は珍しく、東京の会社で研修させてもらい技術を身に付けたそうです。そして、話していた役所に行き実際に調査をして漏水箇所を見付け、大変喜ばれたそうです。それからは毎年継続してやって欲しいと言っていただけました。その後は、水道課が困っていることをサービスメニューに加えていき、水道に関しては出来る限り一気通貫でサポートしています。

会社としての強みを教えてください。

人と違うことを一歩先にやる、というところが強みの一つだと思います。人と同じことを続けてもいずれは価格競争に陥りますから、ライバルの少ないところで勝負しています。もうひとつは、緊急時、真っ先に電話がかかってくるようなお客さんとの関係です。大きな漏水だと断水の可能性も出てきます。急に電話がかかってきたときにも、ライフラインドクターとして365日24時間体制で対応してきました。お客さんから直に電話があると、信頼されていると実感します。

ライバルが少ないところとは?

大手と競争するつもりはありませんので、どのエリアでも郊外を中心に営業展開しています。それに郊外の自治体の水道課を回ってみると本当に困っているんですよ。大きな町に比べると職員も少なく、建設課の中に水道係1人なんてところもあります。そういうエリアでの仕事は、ほかの会社からみれば割にあわないかもしれませんが、当社では例え小さな仕事であってもコツコツと実績を積んでいけば、事業の安定につながっていくと思って積極的に取り組んでいます。

社風について教えてください。

チームワークを重視しています。与えられた仕事だけをやればいいとなってしまうと、中小企業はうまく回っていきません。よその課が忙しければ応援に行き、そこが早く片付けばこちらが忙しいときに来てくれる。そういう柔軟さが、中小企業の魅力の一つだと思います。手伝いに行くと、自分の部署の仕事が違う視点から見えるようにもなります。そういうことができる環境・メンバーに恵まれていたと思います。

今後どのような会社にしていきたいですか?

水道に関して、いろんな調査・提案ができる会社になりたいと常に思っています。あとは安定感を大切にしたいですね。社員には安心して働ける環境を提供していきたいです。そのためには、規模の追求にとらわれないことだと思います。無理をして大きな成長を望めば必ずほころびが生じると思います。売上の多寡とかはあまり関係なく、社員全員が活躍できる場所を用意することに主眼を置くべきだと胆に銘じて経営しています。地に足のついた仕事をしていけば、自然と会社は大きくなっていくと思います。

企業情報

東和コンサルタント株式会社

建設コンサルタント

住所 岐阜県瑞穂市別府2064番地の5
URL http://towaconsul.com/
創業 1978年11月

取材後記

社員への思いやりから、安定を大事にしているということに感銘を受けました。 アットホームな雰囲気が伝わってくる取材で、記事では割愛せざるを得ませんでしたが、聞き返してクスッとくるような冗談がインタビュー中たくさんありました。チームワークと仲良しは違うと言いつつも、それを両立できる人が揃っている。それが仕事を楽しめる環境づくりに大きく貢献しているのではないかと感じました。