代表社員の後藤靖夫さんに話を伺いました
クライアントや税務署と意思疎通をしながら、法人税などの計算をする仕事です。「税法ほど難しいものはないよ」と、弁護士も言うくらい難しい仕事です。なぜなら、税法はいろいろなケースに対応できるよう曖昧に表現されているため、いろんな解釈ができるのです。我々は、クライアントの希望や状況を考慮し、適正な納税を指導しています。
1つ目は、助言をした会社が大きく成長し、社長から喜んでいただけることです。2つ目は、クライアントと頻繁に連絡を取り合うので、公私にわたって長いお付き合いができることです。税理士という仕事は、結果が目に見えてわかる仕事ではありません。それでも、我々がいないと世の中がまわっていかない重要な仕事だと思っています。
もともとは、ひとりで事務所を構えていましたが、複雑かつ頻繁に法律が改正されていき、ひとりですべてを把握することが難しくなりました。法人化することで税理士を社員として雇うことができます。複数の税理士がいれば、知恵をだしあうことができます。最近、相談が多くなっている相続や事業承継といった問題も、お互いの得意分野を活かしてお答えすることができます。ひとりでやるより、多方面へ対応できる良さがありますね。
スタッフは、担当企業の帳面から試算表を作成するなど、税理士業務の屋台骨を支える事務仕事をしています。クライアントによって決算の時期が違うため、わたしの事務所には閑散期というものがありません。でも、スタッフのおかげで仕事に余裕ができ、クライアントに税金以外のいろんなアドバイスができます。優秀なスタッフを育てあげることも、我々の仕事のひとつですね。
一般的に会計事務所は厳しい傾向にありますが、そこまで厳しくないところでしょうか。家族や友達と過ごしたり、試験勉強のための時間確保を最大限考慮して、定時退社を基本としています。ワークライフバランスですね。もちろん仕事に対する責任はあります。個人の確定申告は期日が決まっていますから、休みの日でもみなさん自主的に出勤しますね。クライアントが減っていないので、給料もこのところ昇給一途です。
税理士試験を受けるには、高校卒業者であれば日商簿記1級を取得していること、大学生であれば教養課程2年を終えていることが必要です。働きながら試験を受けることもできますが、10年かかっても受からず、挫折する人もたくさんいます。逆に、50歳になってやる気になり資格を取る人もいます。最終的には自分次第ですね。ただ、合格して即登録できるかというと違います。会社の全般的な経理や会計事務所での実務経験が必要です。
法知識・経営知識の覚えがいいことや、説得力があることです。そういう人は伸びていきます。また、税理士は、税務署とクライアントの間に入るパイプ役です。お互いを納得させられない人は向いていません。学歴などは関係なく、地頭のいいことが大切。例えば、ある社長には「商売儲かるんかいな」とザクッといく。よそでは「社長はそうおっしゃいますが、法律はこうなっていますので」とピシッとできる。知識があっても知恵がない人はだめということですね。
「税理士法人」や「会計事務所」と聞くと、わたしたちとはとても遠い存在で、どこか堅苦しさすら感じていました。しかし、インタビューを受けてくださった後藤代表の温かくも力強さを感じるお人柄に魅入られ、気が付いたら「税理士さん」の存在が身近に感じられるようになりました。そして、クライアントの成長に携われる喜びや余談として自身の人生訓を語られたときの、まるで父親のような笑顔がとても印象的でした。クライアントとのお付き合いが、先々代から続いている理由が垣間見えたような気がしました。