代表取締役社長の鈴木政裕さんに話を伺いました
昭和21年に祖母が製麺業として創業し、その後、製パン業もはじめました。取引先の増加にともないマルセパンの工場を建設し学校給食や八百屋などに卸していました。私が家業を継ぐことになり、大切にしたかったことは「マルセパンから変わろう」という想いです。それは、卸すだけでなく焼きたての美味しい手作りパンをお客様に直接届けたいという想いです。それで、マルセパンの工場の隣に、美味しいものを追求するという想いを託したフランス語で食いしん坊を意味するグルマンをオープンしました。
グルマンが認知されたことにより、一宮生協様とのお付き合いがはじまり、今のビジネスモデルが生まれました。工場しかないと、ラインが大きいから新しいパンの試作ができない。普通のパン屋だと量産ができない。うちは、クライアントと「グルマンのパンを量産するには」という打ち合わせができる。つまり企画グルマン、生産マルセパンという、今で言うOEMが社内で出来ることです。
できるだけ国産でいけるところは国産で、そして無添加でいけるところは無添加でということを大事にしています。工場が地元にある事で地域の材料を多く使用した、美味しくて豊富な種類のパンを作ることができます。地域の中の加工工場として地産地消を実践しています。
パンの原点である石窯パンをお客様に食べていただきたいと思い、全国を食べ歩きしてみました。しかし残念ながら、本当に自分が美味しいと感動するパンに出会うことはできませんでした。たまたま、訪れたドイツで食べた石窯パンは、日本で食べたものとは比較にならないほど美味しくて、忘れることができませんでした。この味を日本で再現したいと思い、歴史あるドイツの窯を輸入することにしました。その石窯で焼いて食べたとき、こんなに美味しいパンがあるのかと感激しました。この味をぜひ多くの方に食べてほしいです。
グルマンのパンを全国の人に食べていただくために、一人ひとりの嗜好に合わせた2種類のコースのお届けパンをご用意しました。そして、試食後も納得いただけなければ返品可能ということも行っています。私たちの願いは、お届けパンを利用され美味しいと感じたお客様が『パンの森』(*1)に訪れていただくことです。そして、パン作りを体験したり、イベントに参加していただければ、大変うれしいです。そして私たちは最終的に『パンの森』を通じて、パンを中心とした食文化を発信したいです。
(*1)パンの森とは、本社敷地内にあるパンの工場や
販売店、体験施設、カフェなどをもつ複合施設 です。
グルマングループスタッフ全員が、心から働いていて幸せだと感じないとお客様を喜ばせることはできないと考えています。お客様の期待に応えるためには、『スタッフが一人でも手を抜かないこと』だと考えていますので、全員が真剣に仕事に取り組むことを徹底しています。そのために社内の風通しを良くし、いいものをつくるためにはどんなことでも話し合え、意見の出し合えるチームグルマンを目指しています。
鈴木社長のグルマンについての熱い想いを語られる姿から、パン作りや、パンの森での活動に対して誇りをもっていらっしゃるのが伝わってきました。そして、普段なかなか拝見することのできない工場内の石釜パン作りの作業工程を見学させていただきました。鈴木社長を筆頭にチームグルマンとしてみなさんがいきいきとパン作りをされたり、接客される姿が印象的でした。