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FILE.04神鋼造機株式会社

総務室長の伊藤雄二さんに話を伺いました

神鋼造機の強みを教えてください。

当社は、ディーゼルエンジンメーカーとしてスタートしました。現在はその技術をいかし、試験機や動力伝達装置、エネルギー装置を手がけています。製品設計から鋳造、加工、組立、試運転まですべての工程を自社で行う一貫生産体制が当社の強みです。すべて自社で行うことで、コスト削減だけでなく、短期間でお客様に納品できるというメリットもあります。

貴社が開発した移動電源車について教えてください。

移動電源車は、トラックにディーゼルエンジン、発電機を搭載し、どこへでも移動して電力を供給する自家発電装置で、当社が日本で初めて開発しました。電気工事中の電力供給、災害時や大規模な停電などへの非常電源として使用されています。東日本大震災復興の際に活躍し、様々な企業や自治体からのニーズも増えています。特に、九州電力と共同開発したヘリコプターで空輸できる移動電源車は、当社オリジナルの製品です。今後も災害時の備えとして需要が見込まれています。

グローバル展開についてはどうお考えですか?

ASEAN地域への進出を加速するため、2011年にベトナム事務所を設立しました。安定した電力供給、自動車の普及を先取りした拠点になると考えています。また、神戸製鋼との共同出資で、韓国に新しい会社を設立する動きもあります。国際競争力という意味でも海外を活用していきたいです。グローバルに戦える人材育成にも力を入れており、社内で英会話教室を開催したり、海外へ技術者派遣もしています。

人材育成や、女性社員の働き方について教えてください。

当社では、すべての分野でベテランから若い世代への技術技能伝承活動を行っています。一人ひとりの技量に合わせた教育訓練計画を作成し、講習会や現場で手取り足取り作業を教えています。また、女性社員も積極的に採用しています。子育て支援の充実などにより、女性の定着率も高く働きやすい会社だと思います。

未来を担う方たちへメッセージをお願いします。

就職活動されている方は、本当に自分のやりたい仕事は何なのかをよく考えてほしいですね。できるだけ多くの企業を自分の目で見て、人の話を聞き、自分のやれることを突き詰めて進路を決めてほしいと思います。例えば、惚れた製品への情熱があるかが重要です。どこの企業も、そういう熱意をもった人を求めていると思います。

企業情報

神鋼造機 株式会社

製造業

住所 岐阜県大垣市本今町1682番地の2
URL http://www.shinko-zoki.co.jp/
創業 1950年1月

取材後記

伊藤室長の神鋼造機について熱く語られる姿から、自社の製品や活動に強い誇りをもっていらっしゃるのが伝わってきました。普段なかなか見る機会のない作業工程や移動電源車の内部も見学させていただき、いきいきとお仕事をされているみなさんの姿に感動しました。親子や兄弟で働いている方がいらっしゃったり、女性の働く制度が整っていたりと社員全員が働きやすい環境というのも神鋼造機の魅力の一つだと感じました。